「過去」に会う 2002-03-23 - へびあし。


_ 「過去」に会う 2002-03-23

時間を巻き戻したくはないけれど、たまに「過去」に会いたくなる時がある。

思い出の場所や古い手紙。

懐かしい写真や昔からの友人達。

私は、時折「過去の私」に会いに行く。

とても親しい友人に会うように、「過去の私」に会いに行く。

例えば、過去に戻ることは出来ないけれど、一緒に「過去の私」に会いに行くことは出来る。

「過去のあなた」に、ほんの少しなら、会うことが出来る。

思い出を聞く事で。

思い出を語る事で。

古い友人と語らう事で。

「過去」は過去でしかないけれど、その積み重ねが今の「私」、今の「あなた」。

今、一緒にいる事実だって、その積み重ねの結果。

そう思うと、「あなた」の過去までもが、私にはいとおしい。

Sちゃんと、会った。

取り立てて急を要する用事ではなかったけれど、何となく一緒に過ごす。

13年前には、想像もしなかったことだ。

私達は仲が悪かったわけではないけれど、とても仲が良いわけでもなかった。

正直に言えば、私は13年前、彼女がちょっと苦手ですらあった。

おそらく、彼女の方でもそうだったろうと思う。

もし、Sちゃんとの再会が10年前だったら、今の関係はあっただろうか?

互いが必要な時間を重ね、様々な経験をし、空白の時間があったからこそ、今の私達がある。

空白は、埋めることが出来る。

そうすることを互いが望むなら。

そんなことを思いながら、私の思い出の場所をSちゃんと訪ねた。

私の学生時代の遊び場。

特別口にはしなかったけど、そうなのだよ、Sちゃん。

久しぶり過ぎて、道案内も怪しかったけど。

卒業して4年以上経つんだから、仕方ないよね?(と、言い訳)

過去に会いに行った、春の土曜日でした。