草木染 2005-06-01 - へびあし。


_ 草木染 2005-06-01

行政の主催の草木染1日体験講座へ行く。

何だか、優雅な主婦みたいだ、最近。

本当の目的はこの土地に友達を作りたいという事なのだけれど、どうもこの手の講座は(カウンセリングにしろ、何にしろ)子育てを終えた年齢の方が多くて、どうも「お友達」とは程遠い感じだ。

年齢で友達の制限をしたりはしていないけど、どうもきっかけが難しいのですよ、年齢の分余計に。

それでも今回は体験講座という事で、たくさんの人と話した。

話も聞いた。

こんな、と言ってはなんだけれど、お手軽な講座なのに、ちゃんと予習をしている人もいて驚いた。

あと、オレなんか前に経験しているので、どの程度のものになるか想像がついていて、真剣みが足りなかったけど、それ以外の人は「もっとどんな色に染まるかはっきり言ってほしいよね」とか割と真剣に文句を言っていたりして、驚いた。

別に売ろうってわけじゃないでしょ、あなた、と思ったり。

でもその姿と言ったら、「自分は失敗しないぞ、いいものを作るんだ」という小学生の図画工作の時間に見られるような真面目さで、自分の母親の年齢の人たちのそんな姿を見るのはとても微笑ましかった。素敵だな、とすら思った。

オレは失敗のしようがないと分かっていたので、気が抜けすぎって感じだった。

目的はその行程を覚えて、自宅でやれないかという事。

自宅でも簡単に出来そう。問題は「何」で染めるかという事だ。

今回は、ハーブでショールを作った。ハーブ自体はもちろん緑だけど、緑は出ないだろうなと思っていたら案の定その通りで、黄色になった。

媒染(色を定着させるもの)を何にするかで違うみたいだ。家でやってみなければ。

今回の色は、何を使っても出せると思う。濃淡はあれど。

出来れば、藍とか緑とか出来るようになると面白いのに。しかし、こればっかりは経験なので、またじっくり楽しむ事にする。

何となく近くに座った人とお茶したりしたけれど、どうも、商売っ気がありすぎる気がして、やや警戒している。

言葉の端々が、何か怪しい気分にさせる親切さなのだ。でもただ単に、本当に親切なのかもしれない。わからない。

ちこさんはネットで知り合った人で、会うまで、生で声を聴いた事もなかったけれど、こんな警戒は一切しなかったな。

大丈夫だと信じられたし、もし、万が一、裏切られる事があってもいいと思える相手だった。もちろん、裏切られなかったけど。

なのに、目の前にいて話している人が信じられない。それって、悲しい事だ。

でも、寂しいと思っているから、誰かに手を借りて、この場を乗り切れたら、と甘えている今だから、仕方ないような気がした。

そう色々と考えていたら、もう、何だか一人でも、躍起になって友達なんて作らなくてもいいや、とかも思った。

土地全体に否定されているような焦燥感がなくなったからだろう。住める場所があると思うだけで、心はこんなにも強くなるのか。

それほど、強く感じていたこの土地からの反発。気のせいだと思っていたけれど、気のせいではなかったのだろう。

何だか、オカルトチックな事を言っているような気がするが、幼少からオカルトに身をおいているせいで何の抵抗もない。傾倒もしてないけど。

どこにも居場所がないわけではない、そう思うだけで、元気になった。

ある年齢になるまで、居場所が定まらなかった私。きっと誰よりも、強く居場所が欲しいから、土地の合う合わないまで感じるのだろうと思った。

ショールは、黄色っぽく染まった。シルク素材だったので、ちょっと綺麗にいうと黄金色。

自然の力を借りて、お洒落をすると思うと草木染って悪くない気がした。そんな風に生きていければというのは夢物語だ。

でも、夢は夢で持っていてもいいと思っている。

ただ、自然に寄り添って、生かされている事に感謝できる毎日。

せめて、そう感じられる食卓を作る事に努力しよう、今は。