走り抜けた時間の中で。 2002-09-28 - へびあし。


_ 走り抜けた時間の中で。 2002-09-28

仕事で大学に行く。

自分が通っているときには気付かなかったけど、大学とはなんと特別な空間なんだろう。

中・高校時代よりも自由で、でも守られている安心感。

私の大学時代は、バイトとボランティア活動に明け暮れていた。

自宅から大学までの通学時間は2時間30分もかかったし、大学の活動にはあまり魅力を感じなかった。

大学の授業は必修を除けば、好きなものばかりをとった。

必修の時間は睡眠時間に当てた。

授業は大好きだった。

興味もあったし、追求すれば奥は深くなり、調べれば調べるほど、その世界は魅力的だった。

就職のことなど、何一つ考えなかった。

就職することを考えて、資格を取ったり、免許を取ったりすることは決して悪いことだとは思わなかったけれど、そういうことをすることで大学生活が色あせてしまうのが嫌だった。

就職を考えると今自分が選択した大学生活は、賢い選択とは言えなかったからだ。

選択するときに、就職のこととは切り離して考えようと決めていた。

バイトも大好きだった。

目的を決めて、それを達成出来るとバイトを変えた。

色々な人に様々な事を教わった。

ボランティアも面白かった。

経験はなかったし、わからないことばかりだったけど、一生懸命やれば何かがついてきた。

何度も泣いて、何度も笑った。

体当たりして、何も偽らなかった。

あの世界で、私はただ「私」でしかなかった。

これが私の大学時代だった。

学生に戻りたいなんて、思わない。

そう、言い切れたらいいと思う。

それはすごくかっこいい。

果たして私は言い切れるだろうか。

「戻りたい」とは思わないかもしれない。

でも「あの時にしかなかったもの」に私の胸は切なく痛む。

その事だけが、私の心を今も震わせるのだ。