_ 夜の時間 2005-07-09
寝なかったら、朝になった。当たり前か。
こんなに朝が来ないで欲しいと思った事も、朝を待った事もないかもしれない。
煌々とした明かりの中で、私はどうやって、自分を守るかだけを考えていた。
右手で自分を刺し、左手で自分をかばっていた。例えば、そんな夜だった。
色々思いながら、夕方、実家に行った。約束があったのだ。
運転が好きだと、ハンドルを握りながら、何度も思った。
何故だかはわかる。
アクセルを思い切り踏めば、見えてくる世界の事を考えているのだろうと思う。
簡単に言えば、落ち込んでいるのである。単純。
夜中に父に「お前は苦労を知らない」と言われた。
傷ついた。全否定だ。
今までなら、飲み込んだであろう。全て。
でも、たった一言「そんな風に言わないで欲しい」とだけ言えた。
それ以上は言えなかった。それだけで、泣けてきて、死にたいくらいの気持ちになったからだ。
私の中に土足で踏み込み、私の不完全さを引っ張り出され、批評され、批判され、否定されたような夜だった。
全てにおいて「もう取り返しがつかない」とすら思った。愕然とした。
「もう、取り返しがつかない」
こんなに破壊的な言葉があるだろうか。全ての力を奪う言葉。
もう、それなら、何で息をするのだ、私。
そこに何の意味があるのだ。
そう思っていたら、夜が明けた。
また、寝なかった。
嫌な事は暗い時にばかりおきると思った。
by ミズキ