2004年2月 - へびあし。


_ ある夜。 2004-02-02

仕事を無理やり切り上げさせられ、飲みに行く。

月曜からかと内心苦笑。

人に絡み、うだうだ話をしていたら、祖父の心臓が停止していると連絡が入る。

「死んだ」と言う事は出来ても「亡くなった」と言えなかった。

そこまで、客観的になれなかったし、「亡くなった」という音が「無くなった」という言葉を連想させたから。

あとで、考えればそれも事実だけど。

とにかく、へこんだ。

突然なので。

そんな時に、どうしろと言うのだろう?

そんな時にすら、求めてはいけないのだろうか?

学生時代からの友人が、「こんな時なんだから」と千葉から迎えに来てくれた。

_ 言いたいことはわかるけど。 2004-02-02

クッキーを派遣の子が食べていて、「どんな感じ?」って聞いたら、

「マルコポーロみたいです」

と言われた。

ちょっと、違うよね?

マルボーロだよね、それは。

_ 田舎での一日。 2004-02-03

始発で福岡に帰る。

つーか、寝てないし。

飛行機でちょっと眠る。

十時前に着き、そのまま電車を乗り継ぎ、県境の実家まで。

遠い。

そして、寒い。

納棺に間に合う。

穏やかな顔をしていた。

「起こしたら起きそう」という愚弟の言葉は本当だった。

安心する。

通夜に思っていた以上の人が来る。

意外と思ってごめんよ、じーちゃん。

夜は駆けつけた従兄弟と夜通し飲む。

飲むって言ったら、飲む。

寝ずに飲むと結構すごい。

じーちゃんの代わりに飲む。

冷蔵庫のように冷えきった部屋でうたた寝する。

期限切れで放置のハムの気分を味わう。

寝れないのは寒さのせいだけではない自分に、ちょっと安心もした。

_ 友引 2004-02-04

友引なので、中休みのような一日。

夜の為に、お風呂に入ったり、つまみを買ってみたりする。

10年以上ぶりに従兄弟が全員集まり、<孫の会>が結成される。

そして、飲んだくれる。

じーちゃんは、とっても酒飲みだったので、贅沢な見送られ方だと全員で語り合う。

始終、愛情のこもった悪口大会となる。

じーちゃんがはまっていたものは、マムシ酒(自分でマムシを捕まえてきて酒に漬けてある)、ノストラダムスの予言(熱心に語っていたが、特に何もなかったので、それ以来触れなくなる)、クエン酸(どっかで聞いてきて、自分で調べて、来る人来る人に無理矢理飲ませていた)といった感じ。

改めて、変わっている人だったと痛感する。

愛情表現が下手で、愛され方も下手で、本当に不器用な人だった。

知識でしか自分を見せることが出来ず、理屈っぽさが強調されていた。

従兄弟達との温度差を感じたけれど、それは認めなければいけない事実だ。

故人を悼んでないわけではない。

ただ、その強さに差はあることも意識した。

それもじーちゃんの残したものだ。

_ お休みの日 2004-02-08

ぼんやりと過ごす。

好きな本を読んだり、コーヒーを飲んで。

アルコールは抜き。

時折、自分にいろんな質問をする。

連想ゲーム。

単語から連想するものをどのくらい繋げられるか。

好きなもの⇒月⇒それにまつわる思い出⇒その時の状況⇒話した台詞

そんな感じで。

あまりにリアルに思い出して、泣きそうなぐらいになることも。

そうして、感情を波立たせて、過ごす。

同じ毎日はないけれど、同じ毎日と感じてしまったりしないように、そんな風に自分と向き合ったりする休日。

_ お祝い。 2004-02-10

とっても暖めていたやばい件が片付く。

心底、嬉しい。

夜はお祝いに軽く飲む。

同僚の猥談とか聞いたりする。

なぜか、猥談になる前に、社章を外す奴ら。

男の子ってかわいい。

本当に。

男の「子」の顔をしている時は。

_ 山に行くべし 2004-02-11

山に誘われていたが、風邪気味のため、何故か上野動物園に。

パンダとか象とか、見たり、見られたり。

ペンギンがさらって帰れそうで、持ちかけてみたり。

帰り道、火事現場を見た。

見に行ったわけじゃない。

たまたま通っただけ。

ほら、あの電気ものがいっぱいあるとこで起ったやつ。

あ、秋葉原だ。

だらりと飲む。

たくさん歩いていい気分。

_ ビッグサイトに行く。その①。 2004-02-12

ビッグサイトに行く。

イベント。

福岡の友人が来ているので、捕まえて、話し込む。

あんな話やこんな話。

今日、9:30にこっち着で来たとの事。

元気だ。

夜に電話したら、もう福岡だった。

きっと、3人ぐらいいるに違いない。

私が会ったのは、2号。

福岡にいるのは1号。

それとも、どこでもドア?

イベントは、気が抜けた。

期待が大き過ぎた。

ビッグサイトは、本当にビッグだった。

_ ビッグサイトに行く。その②。 2004-02-13

昨日に引き続き、ビッグサイトに行く。

やる気のない展示。

やる気のないスタッフ。

いいのだろうか?

聞きたかった講演は、あまり大したことなかった。

あれなら、私の方がマシな事をしゃべる、などと横柄な事を思いながら、ウトウトしてしまう。

夜はそのまま、飲みへ。

セクハラっぽい発言をかわしつつ飲む。

結構飲んで、帰る。

最近、飲みすぎだとやっと気付く。

遅すぎ。

_ お菓子屋の戦略 2004-02-14

そんなのにのったりしないと誓う。

つーか、まぁ、そんな心構えすら関係なかったり。

あんまり寝ていないせいか、珍しく十二時前に眠くなる。

だらだらと飲むはずが、割と早い段階でやられる。

地ビールというやつは、どこのものでも結構きけん。

寝てないし。

私がここにいるのは、私のわがままだろうか?

虚ろな頭で考える。

うとうとしては、悪い夢で飛び起きた。

_ 欲求 2004-02-15

明治神宮に行き、清められ、原宿に行き、毒に当たる。

どっぷりと。

ふいに消えてしまいたいほどのやるせなさに見舞われたり、電話の向こうの沈黙にいろんな風景を見たり。

私の欲しいものは、ただひとつだ。

_ ボタン 2004-02-16

たった一つ、ボタンを掛け違えただけなのに、違う世の中が見えたりする。

目を見張る思いだ。

飲まれたフリをして、一日を過ごす。

心底、自分に腹が立つ。

自分で、自分を呪う。

日付が変わる手前まで仕事をして、同僚とラーメンなどを食べに行く。

お金を払ってラーメンを食べるなど考えられないが、ひとりで家で食べるよりはマシだと諦める。

少しラーメンを食べ、チャーハンを食べ、ビールを飲む。

駄目OL。

まわりはヤローしかいないし。

酒の力で眠る。

_ あらら。 2004-02-17

実家から送ってもらった米を受け取る為に早く帰ったら、23時に呼び出される。

信じられないようなトラブルが起きていた。

私は直接的に関係はないわけだけれど、まったく無関係でもなく、「私の納得の行く解決」の為に電車に飛び乗った。

さて、ミズキの運命やいかに。

なんて、気持ちを盛り上げないとやってられん。

_ 帰京。 2004-02-22

福岡から戻る。

朝からびっくりするような電話が入ったりして、気分の悪いスタートだったが、帰ってきてみれば些細なことのように思えて、とりあえず、反撃をしておく。

お気の毒だと思ったり、身から出たさびだと思ったりする。

環境が変わりすぎて、なかなか体がついていかないと思っているうちに、更にこんな事にまでなって、後ろを振り返りなさいと誰かにしきりに言われているような気持ちになる。

じーちゃんか?

怒涛の帰福三日間でした。

もう、二度とこんな帰り方をしたくない。

_ 何があっても陽は昇る。 2004-02-23

久しぶりに出勤する。

メールは思ったほどたまっておらず、ほっとする。

クレームは私の担当範囲外で起きていたので、見なかった振りをする。

いーのだろうか?

いいって事にしておこう。

仕事をしているふりを始終していたが、実際は何にもやっておらず、最低限の仕事だけしてさっさと引き上げる。

何を見ても、何を聞いても、心の奥底までは響かない。

喪失感、を身をもって知る。

失うものが、あとどれぐらい自分の中に残っているだろう。

浅い眠りの底で、そんな事を思う。

_ 何事も経験って事か? 2004-02-24

朝早くから、呼び出される。

体育館裏ではなく、コーヒー屋。

日曜日の傍迷惑な電話の件。

言い訳とか、たくさん聞く。

とりあえず、私は喪に服しているので、心の平穏を保ちたい。

それだけ。

将来、オットなるものを持つことがあっても、携帯の着信とかメールとか、発信とか、とにかく見ないようにしようと誓う。

あれは、確かに誘惑の代物ではあるが、それにより様々な妄想を逞しくしてしまう代物でもあるので、やっぱり近寄らないのが懸命。

しかし、見た事もない人から、ドラマのような台詞をもらうのは人生においてそうあることではあるまい。

人生の肥やしにしようと思う。

でも、一度で結構。

_ お国柄が知れるので、飲んでも良識を見失うな、と思う。 2004-02-25

派遣のK子さんと飲みに行く。

うまいと噂の韓国料理なぞ、食べに行く。

まじでうまうま。

調子に乗って、だらだらと語り、だらだらと飲む。

K子さんはとても酒に強いので、安心して飲める。

弱い子だと気を遣うし。

追い出されそうな時間まで居座り(つーか、店が閉まるのが早すぎ)、重い腰をあげて帰る。

帰りに入り口で、すでに閉まっているレジで物を買おうとし、断られたアホな酔っ払いのへたれおやじがかなりな暴言を吐きながら帰って行ったのを見て、めっちゃ気分が悪くなる。

もう二度と来るな、お前みたいなやつ!!

きー。

_ 病院に行く 2004-02-27

何だか調子が悪くて、病院に行く。

咳がたくさん出る。

気だるげな女医が出てきて、気だるげに診てくれて、投げやりな診断を受ける。

「近くに変な咳をしている人はいる?」

「います」

「結核じゃないわよね、その人。最近、結核が流行っててね」

などと聞かれたり、言われたりする。

変な病院。

とりあえずの薬を四日分処方される。

効くのか疑問。

_ 喪失中 2004-02-29

病気って感じを満喫中。

血を吐きそうなぐらい咳き込んでみたり。

血ではないものを本当に吐いたり。

でも、眠れないのは困るので、やっぱり飲んでみたり。

最近は、飲み過ぎ、と自分を止める理性も失った気がする。

油断をすると、目からビールが出るので、飲んでも油断しないようにする。

きびきび。