2002年12月 - へびあし。


_ だからって何が出てくるわけではないですけど 2002-12-01

休み。

でも、ムラへ。

ムラの仕事最終日。

この仕事では初めて昼間なので、いつも通っていた道にこんなものがあったのかと発見しながらムラへ。

二度とこんな仕事は受けまいと心に誓う。

ここに来る時間を作るのに、残業した日々の疲れが体に蓄積されて、陰鬱な気分。

悔しかったので、

「今日は休日出勤でした」

帰宅して大きな声で三回唱えた。

_ 何のための忘年会 2002-12-03

パスポートセンターなんかに行ったりした。

用事があったので。

なんてったって、職場から近いので便利なのです。

しれ~っと何でもないフリをして、仕事を抜け出して行きました。

夜は忘年会。

年越しには、忘れておきたい人たちと忘年会。

最近、毒吐きすぎだろうか。

明日は念願のお休み。

休めるだろうか?

_ 体の中で休むところと休みたいところと・・・。 2002-12-04

休み。

でも明け方から頭痛で眠れぬまま、起きる。

バイトさんの旦那に髪をカットしてもらう。

何も言わないでも、手のかけなくていい髪形にしてくれる。

頭が、軽くなる。

中身も削いでくれたんだろうか、と思うほど。

どうしても今日中にしなくてはいけない用事が一つだけあって、その足で会社に。

さささささ~っと3時間も仕事をして、帰る。

堂々と早く帰れるのは、優越感。

つーか、休みだってば。

本屋に行って欲しい本を買ったつもりが、違う本を買っていた。

頭の中は「休み」らしい。

悔しくて、帰宅して近くの本屋を5軒ぐらい回るが見つからず。

悔しさがエベレスト並。

くそぅ。

_ 「いつか」が「今」になった時 2002-12-06

仕事を終えて、バイトさんの家で過ごす。

友人から電話がかかってきて、共通の友人の他愛もない噂話をする。

その電話を切った30分ほど後にまたかかってくる。

さっきまで話題にしていた、共通の友人の事故死の知らせ。

突然、いつでも会えるはずだった人を失うのは何度目だろう。

そんなことを頭のどこかで考えている。

人間不信になりそうだ。

「今」は「今」しかないのだ。

誰の上にも平等に。不平等に。

彼は、最後にどんな音を聴いたのだろうとなぜか気になって仕方がない。

_ 酔うということ 2002-12-07

雨が降っているのに、明るい。

通夜に行く。

友達を無理やり付き合わせて、お酒を飲む。

のんだって仕方のないことは分かっていたけれど、どうしようもなかった。

友達は、何も言わずに付き合ってくれた。

二人でお酒を飲みながら、くだらない土曜サスペンスを見ていた。

_ 魔法の話をしよう 2002-12-10

魔法の話をしよう。

昔、私が社会人になって間もない頃。

お取引先の方が見せてくれた魔法。

「女性であることを活かしなさいね」とその方はおっしゃった。

女性であることに苦しさを覚えていた頃に。

そして、クレームでやってきたお客様に魔法をかけた。

そのお客さんは、「どうしようもないタイプ」の方だった。

明らかに彼女に非があり、言いがかりであった。

それをその方は、全て笑顔で聞き、話の最後に何気なくお客様の手に触れた。

本当に何でもない感じで。

そして「あら、すごく冷たい手!外は寒かったんですね」とそっと、そのお客様の手を包み込んだ。

とても、親しげに。

とても、優しく。

その途端、

状況が一転する。

クレームのお客様は困ったような笑顔になり、そうなのよ、と相槌を打つ。

そして、今までの剣幕はどこへやら、急におとなしくなり、ひとしきり世間話をした後に帰って行った。

今でも、この事は忘れない。

これは、私にとって魔法だった。

_ 休日の過ごし方 2002-12-12

休み。

最近は平日に休んでばかりいる。

平日に休むと、大体図書館に行っている。

どうしても落語が聴きたくなって、図書館から借りてくる。

何でも揃っているので、入り浸っている。

本当に、幸せ。

図書館では、みんなが黙って本を読んだり、寝たりしている。

年齢も服装もバラバラで、当然、読んでいる本もバラバラで、でも隣に座って本を読んでいる。

その様子をぼんやりと見るのが好きだ。

そういうわけで、図書館に行く。

持ちきれないぐらいの量の本を借りてくる。

今日は、どんな本との出会いがあるのだろう。

_ 暖かい夜 2002-12-13

仕事帰り、バイトさんの家に行く。

この人は私より5歳ぐらい年上で、結婚しているちゃんとした主婦だったりする。

旦那は、カリスマ美容師で、私の髪も旦那のカットだ。

私はこの夫婦に非常になついていて、ここに来ると姉夫婦の家に来た妹の気分か、兄夫婦の家に来た妹の気分になる。

最初に知りあったのは、彼女の方だけれど、旦那も非常に気さくな人なので、旦那にもなついてしまって、居心地よい時間を過ごさせてもらっている。

今日も当り前な顔をして「旦那、お帰りぃ~」と、ビール片手に旦那を迎えて、奥さんに晩ご飯を作ってもらって、ワインまでいただいてしまった。

二人は私を目の前にして、私の髪型の討論なんかを始めたりする。

奥さん「なんで、前髪切ったのよぉ~」

旦那「本人が切っていいと言ったから」

奥さん「長いほうがよかったのに」

旦那「でも長いと手入れしないといけないだろ?するわけないじゃん」

奥さん「そうねぇ」

こうして、ワインまで飲んでてお世話になってるんで、言いたくないけど、結構失礼な夫婦だと思うが黙っておく。

しかも言われていることが当たっているので。

そんなこんなで夜は更けて、帰宅する。

一人でいたくない夜だったので、こうして受け入れてもらえるのは、とても嬉しい。

ホクホクしながら眠る。

_ バカという言葉 2002-12-14

手話の会の忘年会。

先日亡くなった人の席が作ってあった。

合間にビールを注ぎに行く。

一緒に飲みたかったと、みんなが思ったであろう事を改めて思う。

二次会の「あいつは本当にバカだった。みんなをこんなに悲しませて」というコメントに涙が止まらなくなって、バカみたいに泣いた。

「あいつはバカだ」という手話に、泣いた。

泣きたくなかったけど、泣いてしまった。

涙が止まったら、帰りたくなって帰ってしまった。

行かなければよかったんだろうか、とも思ったけれど、涙の意味がわかる人たちと飲んで泣いたのだからいいんじゃないかと思った。

_ 清水の舞台 2002-12-15

清水の舞台から飛び降りる気分で、MDラジカセを買う。

前のが、音が小さくなるボタンを押すと音が大きくなり、CD再生を押すとCDが出てくるような状態になったので。

ただし、聴けなくなったわけではないので、田舎の自分の部屋へ持っていくことにする。

あっちの部屋は何も置いてないので。

これで生活のランクが一つ上がったと思う。

いや、相変わらずテレビはないんだけどね。

_ 悪意 2002-12-16

恐いと思うことがある。

純粋な悪意に触れた時に。

それは当人の中では、悪意ですらない。

ただの悪戯でしかない。

そんな些細な悪戯を受けた。

何の被害もなかったのだけれど、私は一晩、自分を抱きしめて震えていた。

自分が弱者であると、その些細な悪戯から気付かされたのだった。

誰かの、異性の、ほんの気まぐれな悪戯の被害をいつ受けてもおかしくないのだと、不意に気付かされたのだ。

その思い付きは些細なのに、その状況下に陥ったら「絶対的に」敵わないのだと気付かされた。

大げさだと笑われるだろうか。

胃の中に、重たいものを入れられたような、ひどい気分の夜を過ごした。

_ 忘年会 2002-12-18

部内の忘年会。

焼肉食べ放題。

「日々が争い」のうちの部らしい忘年会だ。

ただただ食べて、他愛もない話をして過ごす。

この一年。

公においては、忘れたい事ばかり。

私においては、忘れられない事ばかり。

_ 社会人の心構え 2002-12-21

朝の3時に起床。

昨晩のビールと風邪にやられる。

10時近くまで吐き続ける。

どうしても外せない仕事があるので、這ってでも行かねばと出勤する。

出勤したものの、当然仕事にならず。

風邪の症状と二日酔いの症状と。

いくら最近弱くなったとはいえ、通常ならあれぐらいの量で、二日酔いになるはずもなく・・・・。

三時ごろにピーク。

ついに熱も上がり、倒れた方がいいんじゃないかとすら、頭の片隅で思う。

それでも騙し騙し、過ごして5時過ぎから3時間予定通りに研修を実施する。

私はアホだと思う。

でも、いつもアホではないので、いいじゃないかと思ったりもする。

ただ、社会人なのでもっと体調には気をつけようと思う。

やけになっても、そういうのはいただけないので。

反省。

_ 送別会なのです 2002-12-22

日曜日なのに、仕事。

とにかく、バタバタと仕事をやっつけて、実家に帰る。

実家に行くことが目的ではなくて、後輩の送別会。

大学で福岡に来ていた後輩が、沖縄に帰るとの事。

「知り合った時のミズキさんの年齢になりました」と言われて、妙な気分。

私がとても一生懸命取り組んだイベントに参加してきてくれた時の話になり、「あの時のやった内容というより心構えは、非常に勉強になりました」と言ってもらい、自分の足跡を見た。

参加してくれた後輩達の中に、何か一つでも残すことが、あの時の私が私に課した目標だった。

それを三年近くの月日を経て、自分で確認できた事がとても嬉しい。

例え、今の私がどうであれ、その時の私はそういう私であり、今の私は、そういう私を経て、ここにいる私なのだと強く思う。

昔の私に励まされた、そんな夜。

_ 価値観の相違 2002-12-23

久しぶりに、ひとりで買い物をする。

生活必要品のみ。

基本的には、質素な生活だと思う。

洋服とか、欲しいとは思うけど、買えない事が多い。

金銭的な事ではなくて、「贅沢」と思ってしまって、気持ち的に買えない。

貧乏性なのだ。

でも本にいくらかけても惜しくないし、おいしい食事にも、いくらかけても惜しくない。

価値感の違いなのだと思う。

それでも「女としてそれではいけない」とバイトさんによく怒られる。

とほほ。

_ カルシウム 2002-12-24

クリスマス・イブ!です、世間は。

何故か、こんな日にイベントを組んで、右往左往している。

デートさせろ!!

帰らせろ!!

相手のいない「自称キャリアウーマン」の貴女方とは違うのだ!

・・・・・・・・・と、笑顔で応対しながら思う。

しかし、最近の私は毒を吐きすぎではないだろうか。

カルシウムが足りていないのかもしれない。

_ 社内メール 2002-12-25

クリスマス。

通常業務。

「あなた方は仏教徒なので、集中して業務に取り組むように」

社内メールが全国の全社員に流れていた。

社長の次にエライ立場の人から。

あはは。

もういいって感じ。

_ 一日の一幕 2002-12-26

財布を忘れる。

通帳を持っていたので、事なきを得たが、我ながらとんでもないことだと思う。

しかし、財布がなくて通帳があるってのもどうかと思う。

バイトさん、仕事辞めます宣言。

彼女が辞めるのはとてもつらい。

でも止める権利は私にはないのだ、と思う。

そう決心した後に思った。

いいなぁ(←本音)

_ ここにある自分 2002-12-28

仕事納め。

さっさと帰らせて欲しいのに、ウダウダと反省とか抱負とか言わされる。

何を言わせたって、本音が言えるわけじゃないから、時間の無駄だと思うんだけれど、そういうのが分からない方々というのはいらっしゃる。

帰りに、昔の仕事の知り合いと同じ電車になる。

今でもお付き合いはあるのだけれど、会うのが久しぶりだったので、とても嬉しい。

新入社員の頃、威張って講習会などを行ったものだ。

「お前は生意気な新入社員だった」と言われる。

それも今だから言えることで、実は当時は新入社員であったことを詐称していたのだった。

あたかも経験豊富なフリをして、それでも嘘や曖昧なことは言わぬようにして、色々話すのは非常に大変だったことを思い出す。

こうして今も話せる関係があることをとても幸せに思う。

あの頃の私に感謝しなくては。

最近は昔の自分に助けられてばかりだ。

今はあの頃のようにがむしゃらにはやれないけれども、それでも今の自分がいつか、将来の自分を助けたり、励ましたりするのだと信じている。

今の私は、それはそれで認めて生きていかないと、これからの自分を殺してしまう。

無知に抱かれた「若さ」はもうないけれど、だからと言って「がむしゃらになれない自分」を否定するのは馬鹿げている。

とにかく今は模索しているのだ。

_ 「新しい」しかない世界 2002-12-29

国外逃亡をする。

高校の修学旅行以来。

知らない国、知らない人、知らない街並み、知らない言葉。

「新しい」が私に詰め寄ってきて、乗り物酔いのような気分。

残念ながら、チャレンジするような思想に頭を切り替えることが出来ない。

自分で自分がもどかしい。

でも、この「知らない」状況に甘えたくて仕方がない。

何も知らない顔をして、何も考えなくて、ただただ無差別に自分のアンテナを張り巡らせて、何を拾い上げてみたいのか、それをじっくり探りたい。

何も知らないところだからこそ、自分の好奇心を十二分にくすぐってくれるものは、この国の何なのか、感じるまでは阿呆のようにしていたい。

お茶を飲んでいてもウトウトしてしまうほど、疲れてしまう。

頭の中を様々なものが、何の思惑も計算もなく、次から次に私の中にダイレクトに入ってくるので、とても疲れてしまった。

まだ、何も掴めない。

もどかしい。

_ 溺れている私 2002-12-30

国外二日目。

頭を、心を、少しクローズしてみようかとも思うけれど、あまりにいろいろなものに「感じ」過ぎて、感情のバランスさえ崩してしまいそうになる。

とにかく、少しセーブしないと、何も出来ないと思うけれど、全然無理。

本当の阿呆になったようだ。

今の自分がどんな状態か伝えるのは難しい。

出来る事ならば、ゆっくりとぼんやりとして、数時間を過ごしたい。

そうすれば、見失っている自分をひっ捕まえて、「今」をいかに過ごすのかもっと考えられるのに。

いきなり水中に顔を押し付けられたような息苦しさ。

もっと時間があれば、水の中にいるって分かって、安心して目を開けれるのに。

長い時間は無理だけれど、少しの時間なら、水中で過ごすことも出来るのに。

そう思っているうちに一日は終わる。

でも、ずっと思っていたことを言うことが出来た。

思い出というものと自分自身の位置関係というのは難しいけれど、捕まっては「今」を手放すのと同じ行為になるのだと思っている。

私は「今」に生きている。

良きにつけ悪しきにつけ。

_ 一年の終わりに 2002-12-31

色々あった今年が終わる。

たくさんの毒を吐いたり、愚痴を言ったりしたけれど、結論は出ているのだ。

行動を起すまでの間をそうやって埋めているだけだと、自分では充分に分かっている。

だから、それはそれでいいと思う。

行き着く先は、決まっているのだ。

だから、「いい一年だった」と思う。

旅を終え、日常に帰る。

帰りながら、好きな場所に旅に行きたいと切望する。

一晩でいい、そこに行って、ぼんやりと夜が終わるのを見たいと思う。

今年一年、様々な方にお世話になりました。

また、来年も宜しくお願い致します。