2005年5月 - へびあし。


_ 待つって事 2005-05-02

連休の中日。

Qちゃんの会社は、暦通りなので、お仕事に。

早く帰ってきてね、と無駄と知りつつ言ってみたけれど、お昼に夜は飲みに行くとメールが来た。

がっくり。

夜はうどんが食べたいと言っていたので、「晩御飯はどうする?」と聞いたら、「早めに帰りたいから、ご飯は家で食べるよ」との事。

いつも通りに晩御飯を準備する。

うどんは市販のだしは使わない。昆布を三時間漬けて、あと、カツオ節で。

丁寧に、丁寧に、濁らないように作る。

具は長ネギがいいと言っていたので長ネギと、あと消化に良いものを準備をして待つ。

22時。

何の連絡もなし。

23時。

何の連絡もなし。

調子が悪い(気分が悪い。怒りで)ので、布団に入っているとメール。レスなし。

更に15分後、「私はご飯も食べていないのだが?」とメール。レスなし。

23時30分。

最終電車の時間になって、「帰る」とメール。

怒りでレスが出来ない。

帰ってきても酔いが回っているのか、きちんとしたお詫びもなかった。詫びるような事ではなかったって事か?

怒りというより、もう情けないような気分で泣けてきた。私って何だ?

「帰ってきて食べる」と言われていなければ、待ったりしなかった。

飲んでいる間に一度でも食べておいて、と言う時間もなかったのだろうか。

悶々とそんなことを考えた。

考えすぎて、吐きそうになって、吐いた。吐くものもなかったけど。

本当に何の自慢にもならないと思っているけど、去年まで男性と変わらないぐらい働いてきた。会社に住んでいるのか?と思うぐらいの時だってあった。その時はそれが私の幸せだった。社会に関わっている、独り立ちしているという満足感。

でも今の私は、家を守っていきたいと思っているのだ。それが私の幸せだと。ずっと、家が欲しくて、欲しくて、生きてきたから、それが幸せだと思った。

仕事も大好きだし、やりたいと思うことがあるけれど、両方を大事には出来ないと思っている。

そして、中途半端には関わりたくないという我侭を発揮して、家にいる。それは、とても幸せなことだ。そんな我侭を聞いてもらえるなんて。

でも、だからと言って、我慢をしなければいけないというのとは違うと思う。我慢したくない!というのではなくて、歩み寄り。

とはいえ十分過ぎるぐらい、理解できるのだ。たった一本のメールさえ打つことが出来ない状態。そんな飲み会。

私だって、そんな場にいた事が何度もあったから。楽しくて全部を忘れてたわけではなくて、席が立てない、もしくは席を立てないような話。場の雰囲気。想像がつく。

だから、責めるような事は、言ってはいけないと思う。理性は。

でも感情はまったく別。待っている時間の自分の姿を考えて、本当に泣けてくる。あんなに待っていたのにって。

これって、女性特有のヒロインチックな考え方なのだろうか。そうかもしれない。

だって、過去の時間の自分に同情しているのだから。アホらしい。

結局行き詰ってしまって、もう消えてしまいたいような気分になる。

こんなアホな事ばかり考える人ではなかったと信じていたのに。そういうところはあったけど、そんな人だと思いたくなかったのに。

そんな自分を、自分自身が一番受け入れられなくて、もう消えてしまえって思う。

そうしたら、誰の事も待たなくっていいのだ。

今日の歩数。

4590歩。

_ GWなので 2005-05-03

割と恒例になっている、高校時代の悪友達と飲んだ。

男性5人(Qちゃん含む)、女性2人(私含む)の計7人。

フナツ、ホリ君、クリちゃん、アオ君、ミナちゃん。

一番のピーク時には、半数以上の人間が喫煙者でしかも飲んでいる間に常に煙が立ち昇っていて、各人が一箱を空けてしまうようなメンバーだったが、時の移り変わりか、喫煙者が半数以下になっていた。

しかも驚いた事に、こいつだけはタバコを止めれないに違いないと思っていた意志の弱いフナツが禁煙中だというから、驚く。

それも娘の為に!

あぁ、そんな努力しても15年も経てば「お父さん臭い。。」とか言われたりするのに。

しかし、意志の弱いフナツらしく、ニコレットに頼っているというのが、笑う。

そういうのは、気力で止めなさいよ、君。

禁煙3週間で、聞いているとすでに「ニコレット中毒」っぽい感じ。大丈夫だろうか。

こういう考え方は、下手な訪問販売の手法に酷似していて、いささか信用できない感じもするのだが。

料理の話になって、「もうちょっと上手くなりたいのですよ」と言うと、今どんな風なんだ?と聞かれた。

ちょっと自慢だったハッシュドビーフを市販のドミグラスソースを使わずに作ったのに、Qちゃんが会社ではナイショにしてたんだよーって話をしたら、「確かにそれはやばいな」とアオ君に言われた。そうなの?そうなの?

あと、トマトソースなんかは全部自分で作るので、それにちょっと豆板醤を入れるとおいしいんだーって言ったら、そういう研究している感じが「もう十分」と思うんだけど、だって。でも、本当にもっと上手になりたいのですよ。

ちなみにオイスターソースがあるという話をしたら、一般家庭ではウスターソースぐらいまでしかないと思う、と言われた。

そうなの?そうなの?あるよね?

Qちゃんは、フナツだけが初顔合わせ。

沖縄では気付かなかった奴らの食べっぷりと飲みっぷりに恐れ入っていた。

つーか、4時間近く食べ続けて、最後にカツカレーまで食べるって、危ないよフナツ。

家では、妻がお代わりをさせないらしい。あの体を見ているとよく分かる。妻は正しいよ。

23時近くまで飲み、(6時半開始)ニ次会はカラオケ。叫んだ。歌ったではなく。すっきりした。

ミナちゃんは、Qちゃんを目の敵にしているのだけれど(あたしの女を取ったー、と)、でもなんて呼んだらいい?とか、こっそり聞いてきてくれて、本当に大好き。

Qちゃんって呼んでよ、と言うと、「むかつくー!Q!」と連発してくれていた。みんなの中にその名前が早く馴染むようにだね。

本当に大好き。

それぞれに生活があって、高校時代のように何かを共有する事はないけれど、こうして今でも付き合いを続けていく事が出来る事が本当に幸せ。沖縄まで来てくれたし。

幸せだなーって思った。ありがとう、みんな。

夜は実家に泊まる。2時過ぎに帰宅。

不良娘ですみませんです。

今日の歩数。

6754歩。

_ 裏見の滝。 2005-05-04

朝は普通通りに起きて、旅館のような大量の朝食を食べる。

お母さん、張り切りすぎだよ。

大した用事もないのだけれど、Qちゃんが早く帰ろうと言うので、食べ逃げ。

Qちゃんには出来るだけ、母と話をして欲しいと思っている。だって、母にとってQちゃんは突然現れた人だから。

Qちゃんを知ってもらえば、何の心配も要らないと分かってもらえるから、話をする時間を持って欲しいと勝手に思っているので、残念だ。まぁ、それは私の勝手な願望なのだけれど。

そんな思惑を放置して、帰路に着く。

ただ、あんまりにいいお天気なので、途中でグリーンパークに寄り道。

ここの水時計が好き。

学生時代は、これを一時間近く眺めたりしていた。今日は、ジッとしていられないQちゃんと一緒なので、さささーっと見ただけ。

でも嬉しかった。懐かしかったから。

あとは、とにかく園内を歩く。普段の運動不足が祟ってる。き、きつい。

でも、絶対私より、Qちゃんの方が、運動不足に違いない。

そういえば、昨日の面子の一人、ホリ君は「タバコを吸いに行く以外は運動をしない」と言っていた。不健康の極み。

ガンガン照っている陽の下を何の対策もしないで、歩きました。もうすぐ30なのに。

そして、日焼けしました。

フリマがあっていたのだけれど、プロ並みの声を掛けていた殿方は若干8歳ぐらい。本当にすごいよ、君。

思わず、聞き入ってしまいました。

あの歳で、すでにプロっぽい人材がいるあたりが、さすが百万都市。

フリマって素人の集団というイメージなのだけれど、中には、フリマを転々としている感じのプロっぽい人もチラホラ。

ただ、お洒落っぽいのはないのね。あ、グリーンパークだもんね。そんな世代は来ないか。

ちょっと残念。

フリマのあの雑然とした感じは、小石原の民陶祭を思い出して嬉しい。今年は行けそうにないもんな。Qちゃんが長時間車に乗れないので。むぅー。

ふらりと寄っただけなので、歩き回って、さっさと退散。人に溢れていました。

ここに引っ越してきて、こんなに人を見たのは初めてかもしれない。

先日、日光に着いたばかりだったのだけれど、今日、裏見の滝に着きました。結構歩いてる?

万歩計の話。

今日の歩数、4490歩。

_ 2005-05-07

朝からちょっと調子が悪いQちゃんは、お昼寝をしていた。

夜眠れなくなるといけないからと思い、二時過ぎに起こしに行ったら、「悪い夢を見ていた」と第一声。

悪い夢は人に話すといいと聞いていたので、聞いてみた。

「全日空ホテルで」

「ロンドンの」

「古田選手の結婚式で」

「ホテルマンから声を掛けられて、自分達の結婚式のアルバムを受け取った」

「途中、退席しなければならず、古田にごめんと詫びて、握手した」

「ロビーでおかんと見たことのない老婆と遭遇」

どこが怖い夢なのかが分からない。

結婚式か?

古田か?

おかんか?

_ 藤見 2005-05-10

ちこさんと藤を見に行く。

藤で有名と言うお寺まで。

私の怪しい運転にも関わらず、優しいナビのちこさん。

Qちゃんの「超高性能”うっかり”ナビ」(うっかりの部分が高性能)とはだいぶ違う。

こういう人を乗せていたら、知らない所に行くのも安心。

Qちゃんとは知らない所に行くと必ず、険悪になる。私の口が悪すぎなのですが、どうしても不安はそういう形で現れてしまう。

でも、降りたらきちんと仲直りするからいいのだ。

藤は、満開ではないだろうけど、少しは見れるだろうと思っていたのだけれど、甘かった!!

全然ないよ、藤。

どうやら、きちんと手入れされているらしく、遅咲きは切られているようだ。

うげーっと二人で慄きつつ、景色のいい場所まで上って、話をする。別に取り留めのない事。

学生時代にはこんな風に取り留めのない話をする時間がたくさんあった。

その相手もたくさんいた。

でも社会人になり、家庭を持って、ふと振り返ると、それがどんなに貴重でありがたいものだったかという事を思い知るのだ。

だからこうして、縁あって、ネットで知り合って、取り留めのない話が出来る幸せを感じる。その相手がいる幸せを感じる。

年齢も違う、すでにお母さんのちこさんの話は、私の日常にないものだから、楽しい。

旦那さんもこどもさん達も知っているから余計にそう感じるのかも知れないけど。

十分に緑を満喫して、思い立って、直方まで。

最近出来た大型ショッピングセンターなんぞを覗いて見ようか、となる。

福岡に帰ってきて、いつも思うけど、福岡の店はどれもでかい。本当にでかい。

そして、その中でも、更にでかいんじゃないかと思わせるイオン直方。誰が来るんだろうと思うほどの量の駐車場。

とりあえず、でかいね、と言いながら、食事所を物色。

沖縄料理があったので、そこで食事。

福岡でソーキそばを食べると「カップラーメンの出汁か?」と思う事が本当に多いのだが、ここのはおいしかった。

そして、大量。うげーって感じでした。

沖縄民謡が流れているだけで、沖縄に行きたくて行きたくてたまらなくなる。本当に好きだ、沖縄。

すごいのは、沖縄に住んでいる人も本当に心から沖縄が好きな事。素敵だといつも思う。

だからこそ、素敵なサービスを生き生き提供してくれる人とそうでない人の差は大きい。

結婚式で宿泊したホテルの事を思い出しながら、そんな事を考えたり。

ちこさんは沖縄に行った事がないそうなので、無茶苦茶勧めておく。もうこどもさん達もそんなに無茶苦茶手が掛かるわけじゃない年齢なので、お勧めだ。でも、決して安くはない、この時期。難しいところだ。

あとは店内をウロウロして、ウィンドーショッピング。

お店でこんなものを見つけて、Qちゃんにおみやげに。

その後は、ビックリ市を見に行く。

見に行って、知った。

金・土・日しか開催していない事を。

本日二度目のうげーってやつです。何だか、色々なものに裏切られた気分。

でもあまりにもうらぶれた感じに、金曜日に出直そーって気にもならないね、とちこさんと寂しく語り合う。

それなら、せっかく直方だからともち吉の本店へ。

ソフトクリームを食べ、豆腐を買った。おせんべいは一枚も買わず。

そして、帰路に着いた。

おみやげにQちゃんは大喜び!集めるといって張り切っている。

お豆腐は本当においしかった。たまには、高価な豆腐も悪くない。

(いつも驚くほど安価な豆腐を食べている。そのまま豆腐を味わう事はないので、つい)

楽しい一日でした。

ちこさん、ありがとー。また遊ぼうねー。

_ 映画観ました 2005-05-13

今の家を決めた最大の理由は映画館が近いという事でした。

日当りとか、もっと色々と気になったこともあったけど、「いいや」って決めた理由は映画館。

Qちゃんがいなくて、家に一人でいたくない時はよかったなぁと思います。

今日は久しぶりに二人で映画を観ました。

「ブレイド3」

始まってすぐから、こみ上げてくる笑い。コメディーではないけれど、おかしすぎるよー。

鈴木雅之じゃん、これ!

はい、比べてみて。

鈴木雅之Wesley Snipes

同じでしょ?

しかも、「これはなんじゃない~?」なんて軽い突っ込み出来ないほど、「ありえない感じ」の展開。

「ばーん」と鳴って「どーん」とやって、「がっしゃーん」となる、みたいな。

何だそりゃ?って思った人も、見たら分かりますって。

ちなみに「3」ではありますが、その前を見ていなくても、「何の支障もありません」

_ Qちゃんのいない一日 2005-05-16

Qちゃんは東京に出張。よって、本日実家泊。

中学時代の友人M子と会う。

お昼頃の約束して、すぐにランチに。

花うるしの豪華なランチ。

心の中でQちゃんに「私だけ贅沢してごめんね」詫びつつ、おいしく頂く。

(後で知ったが、Qちゃんもこの日、東京で豪華なランチを食べていたらしい。ちぇっ)

その後は、ドライブ。

助手席ですよ、助手席。

もちろん、運転するのは大好きなのですが、たまに助手席に乗ると、すごい贅沢な感じがします。嬉しい。

福岡に戻って、一度行ってみたかったダイヤモンド・ルクルに連れて行ってもらう。

でかい。本当にでかい。(最近こればっかり)

しかし、閑散としている。経営状態が心配になるな、コレ。

中は大好きな雑貨屋がいっぱい!!

何を買うわけではないのに、興奮して、あちこち見て回る私に付き合ってくれるM子。

興奮して鼻血を出さんばかりの私。

M子は、昔からいい奴だけど、本当にいい奴だ。そんじょそこらの男には嫁にやれない。

「通り過ぎた店でも、欲しいものがあったら戻っていいよ~」と声を掛けてくれて、その気配りに感動する。

文字で見ると大した事ない台詞かもしれないけれど、私にはこういう風に人を気配り出来ないので、本当に嬉しかった。

私もこんな風に、人を気遣えるようになりたいと思う。

日々、勉強だ。

結局、あちこちを見たけれど、何も買わなかった。

欲しいものがなかったのではなく、ありすぎた訳だが、あと本当に必要かという判断がつかなかったのだ。

三ヶ月たっても思い出すようなら、購入を考えようという所。

ただ、キッチンがもっと使いやすくなるような刺激とヒントを多く得る。

キッチンが使いやすく、きれいであるようにすることが私の目標。

誰の目に留まっても恥ずかしくないようなきれいなキッチンって、夢だ。

私はどうしてもすぐに散らかしてしまうので、たくさんのルールがないと駄目なのだ。そして、片付けやすいシンプルさ。

また気長に改良していこう。キッチンは私の大事な舞台だ。

帰りは車の中で色々と話す。

基本的に彼女は本当に真面目だ。

様々なお付き合いは全て「確信」がないといけないと思っているあたりに彼女の心のあり方がわかる。

そういう考え方は悪くはないけれど、「間違いない」事など、男女問わず、人間関係の中でどのくらいのものがあるだろうか。

「間違わない」「人を傷つけない」それは、出来ればそうありたいが、自分の心のままに正直に真摯に生きて行き、人と接する中で生じたものなら、仕方がないのではないだろうか。

むしろ、「間違わない」と自分を縛る事で、自分と相手の中に生じる可能性を潰してしまう事の方が勿体無いと思う。

素敵な出会いに巡り合う事を心から祈っている。でも、そこら辺の男にはやれないけど。

実家に帰り、父と母と三人で飲む。

何故か母が「飲むぞー」と張り切っていて怖い。

この人は本当にザルだ。

多くの酒飲みを知っているが、この人が一番だ。

しかも飲まなくても酔っ払っているような言動の人なので、どこで酔ったかが全く分からなくて性質が悪い。

というか、過去のどの場面でも結局は酔ってなかったと言う可能性が一番高いわけだが。

ただ、飲んでいる間中、TVがついていて、本当にうざい。

人と話をする時ぐらい、切ったらいいのにと思う。

母はいつもTVぐらい買えばというけれど、TVがある事が裕福な家庭の象徴だった時代は終ったと認識すべきではないかと思う。

むしろ、TVのない贅沢を満喫しているのだ、我が家は。

多分一生涯、我が家に置かれる事はないだろう、あれは。

情報が氾濫しているからこそ、垂れ流しにされる情報をぼんやりと受け取るのではなく、欲しい情報のきっかけをTV以外の媒体で得て、本当に必要なものだけ自分で拾い集めて、自分の判断で信用に足るかどうかを吟味する努力をするべきだと思う。

まぁ、お互いに余計なお世話なので黙っておく。

_ 夜の思い出 2005-05-20

愚弟がまだ幼稚園の頃。

(多分私は、小学校にあがったばかりぐらい)

夜中に目が覚めた。

それはこども心に夜中だったのであって、本当は22時ぐらいだったのだろうと今は思う。

とにかく、目が覚めた。原因は、弟。

「どうしたの?」

「おかーさんがいないの」

狭い我が家だ。こどもの足で探し回ったって、さして時間は取られない。すぐに彼のいう事が本当である事が分かった。

ものすごい動揺。

弟が生まれてからというもの、母の口癖は「親がいなくなっても姉弟で仲良く生きていきなさい」だった。

毎日「今日はお母さんは生きているだろうか」と思って過ごしていたこどもの頃の私にとって、こんなに衝撃的な事はなかった。

血の気が引く。

でも、自分より幼い弟を不安がらせるわけにはいかない。だって、私はお姉ちゃんなのだ。

「何で起きたの?」

「喉が渇いた。お茶が飲みたい」

当時の我が家は、お茶葉で熱いお茶を入れるのが普通だった。

入れられるだろうか。入れたことない。

今思えば、難しくも何ともないことだけれど、本当に出来るかな、と思った。

でも見よう見まねで、お茶の葉をいれ、ポットからお湯を注ぎ、それを更に冷まして弟に与えた。

時間は分からない。でも夜中。お父さんはまだ帰ってきていない。

お母さんはどうなっただろう。

弟は、お茶を飲んだら満足したようだった。また、眠たげな顔になる。

「寝ようか」

声を掛けたら、頷いた。ホッとした。

なんでもない顔をして、ベッドに入った。ここで私が慌てたら、弟が不安がって泣き出す。そうするとどうにもならないような気がした。

お母さんは死んじゃったからいないのだろうか。

そう思いながら、布団の中で声を押し殺して泣いた。こんなに怖い夜はないと思った。

そして眠った。

朝、起きたら母はいた。

急須の様子を見て、どうしたの?と問われた。

「おかーさんがいなかったから、入れたの」

友達の家にちょっと用事が出て出かけていたのだと言った。実際にその日に友達が母が来ていた事を教えてくれた。

きっと、今までも私たちが寝静まった後(それは20時前だから)そういった、ちょっとした用事やちょっとしたお茶の時間が何度かあったのだろう。私が気付かなかっただけで。

それ以来、夜は眠れなくなった。ジッと息を押し殺して、母が動く音がしたら、何度もトイレの振りして起きたりした。

夜は遅くまで起きて、朝起きてから眠った事を後悔して、朝早くに飛び起きるようになった。

もう、知らないうちにどこかに行かれたりするのは嫌だった。

母はとっぷりと時間をかけて、私にそういった事を教え込んだ。いつかいなくなる大切な人たちの事。必ず戻ってくるかは分からない大切な人たち。

本当に、毎日親が生きている事が奇跡のように思っていた。学校から帰る道のりが一番怖かった。

誰かを失うなら、自分を失った方がマシだと、学校の帰り道に何度も思った。まだ、10歳にも満たないこどもが。

生きると死ぬ。その事ばかり考えた。これには、何の脚色もない。

だからこそ、まだ、親が神様だった時代に、神様から教え込まれたこの考えと私はどう付き合ったらいいのか、30歳を目前にした今でも悩む。

だから、夜は嫌いだ。

特に一人の夜は大嫌い。誰かを待って過ごす、一人の夜なんて最悪。

大切な人が指の間から零れ落ちていくような錯覚に陥る。学校の帰り道を思い出す。

そして、自分が泣いていたあの時間に、母が笑っていたかと思うと、今は少し痛い気分だ。

もちろん、そういう時間の必要性があると理性が分かっていても。

だから、夜は嫌い。

_ DVDが観れるようになったり 2005-05-21

ホームシアターの機械が修理から返ってきました。

修理箇所を見ていると昔の職場を思い出したり。

見たいDVDはたくさんあるのですが、とりあえず、「デンジャラス・ビューティ」を観る。

久しぶりにサンドラ・ブロックを観ましたが、個人的な感想として、この人って、特別美人じゃないですよね?

そんな事ないのかしら?

どうも、オレの好みは一般的ではないので、何とも言えないのですが、やはりそう思います。

でも、好きです。スピードの時から。

中身は、簡単に言えば「ドリフ?」という感じ。

頭を使わずに、気楽に楽しむにはいいのでは。

特に「絶対ハッピーに終る」と確信できる作品は見ていて、心が安らぎます。

ちなみに頭を使わないという意味では先週見た「ブレイド3」と同じかも。

最近そんなもんしか見てないって事か。

なぜ、デンジャラス・ビューティを観たかというとデンジャラス・ビューティ2を映画館で見ようと思ったわけですよ。

でも、観て思った。「これは家で観ればいいや」って。

そういうわけで、今から観るなら、「ザ・インタープリター」かなぁ。

今日は一日のんびり過ごしました。行きたいところも、特にしたい事もなかったし。

そうそう、昨晩から通い始めた「カウンセリング講座」について少し。

社会福祉協議会主催の「カウンセリング講座」に受講希望を出したら、OKが来たので、昨晩から一週間に一度通う事になりました。

全6回コース。

どちらかというより、「カウンセリング受けろよ」って感じの、カウンセリングされる事はあっても、する事はないだろうという私ではありますが、済ました顔して受けてきました。

第一回は、本当に入り口。

「カウンセリングって何?」でした。仕事の関係で少しばかり勉強していたので、知っている事も多いのですが、一般市民向け講座としては分かりやすく、いい内容でした。

ドラマや本の影響で、とかく、カウンセリングとは「あなたの幼少の頃の経験が云々かんぬん」というものだという認識の人もいると思われますので、そうではないと初回に定義づけがあった事は好感が持てて、休まずに通うぞと思えてよかったなぁ。

一つショックだったのは、「挨拶」というのを自分が忘れているという事。

誰かと一緒の時はいいのです。割と緊張感があるので、忘れないんだけれど、昨日は完全に一人。

ハッと気付けば、会場で案内をしている社協の方に挨拶とかしてないよね、オレ、と気付きました。

うげー、最悪。

いかに引きこもりかって事です、これは。

知らない人たちって、本当に本当に苦手で仕方がないオレですが、これはいけない。

苦手と失礼は違いますから。これじゃ、ただの失礼な奴じゃん。

帰りに気付いて、がっくりしながら帰りました。Qちゃんはまたも飲み会だし。

がっくりした気分で一人で飲むビールは苦かったです。

反省のため、記載。来週は、挨拶するぞ!脱、ひきこもりしたいと思います。

_ おみやげ。 2005-05-23

ちこさんがうちに来てくれた。

先日のQちゃんの東京出張のおみやげがあって、おみやげだから持って行くのが本来だと思うのだけれど、わざわざ取りに来てもらってしまいました。すんません。

しかも、上がってもらって、話し相手をしてもらってしまいました。

忙しいのに、ごめんよー。

ちこさんの話は毎回面白いのだけれど、今回おかしかったのは、こねつくん(息子さん、小4)の母の日のエピソード。

ママへのカードに、「育ててくれてありがとう」だって。壮大だ。

帰ってきたQちゃんに話したら「それは、旅にでも出るのだろうか?」との事。

ドラクエ?

こねつくんはすっごい真面目だし、頭のいい子なので、「らしい」と言えば、らしいなぁ、という感じです。

しかし、またそういう真面目さに対するちこさんの突っ込みに毎回笑わせてもらってます。

ほんっとに仲良しなんだよね、この家族。見習いたいなぁ。

また、お米をおみやげにもらってしまった。

このお米が、べらぼうにおいしい。本当に市販のお米なんて食べれなくなるよーと思うほど。

ありがたく食べさせていただきます。

_ マル秘 2005-05-24

Qちゃんのお友達から、CDに焼かれた写真が届いた。

関西で結婚披露会をした時のものだった。

私とQちゃんは、一緒に写っている写真が本当に、本当に、本当に少ないので、ありがたい。

つーか、仲悪い?

それについていたメッセージに「マル秘写真、オマケにつけときました」とあって、Qちゃんが激しく動揺していた。

そんなにヤマシイ映像が?

心当たりだらけなのか?

ちなみに中身は、私の心の恋人の写真でした。これこそ、本人が大きくなったら、マル秘の写真だ。

その時まで大切にしよう。ふふふ。

私も見られたくない写真というのが多く友人達の手元にあるかと思うが、くれぐれもうちに持ち込まないように。

私は君達とやった「交換日記」はもちろんの事、授業中にこっそり回した手紙の類まで、一つ残らず持っているので、もしうちにやばい写真を持ち込みを実行した場合は、覚悟しておくように(←脅し)。

特に、独身諸君、気をつけたまえ。

_ お弁当記録 2005-05-26

日記にお弁当の記録を入れていたが、どうしてもごちゃごちゃしているし、更新が実は面倒で、ついつい滞りがちになるので別にした。

こうすると、お弁当のレパートリーが少ないことが一目瞭然!と愕然とするわけだが、自分への戒めもあって、独立へ。

お弁当、頑張らねばいかんよ。オレ。

Qちゃんが飲み会に行くのは、オレの食事に飽きているからか、もしかして。

それは困るね、本当に。

そういうわけで、世の中の人には何の役にも立たないわけだが、個人的事情でお弁当記録を作ったので宜しく。

出来ればたまには、こんなお弁当が食べたい!とか、メールで送ってくれると嬉しいよね。

だって、何が大変って献立を考える事なのだよ。

気がつけば、晩御飯かお弁当のことを考えてるよ、オレ。毎日、いつ何時も。

本当に送ってくれたら、あなた様がおいでになった時にはその献立を採用致します。本当に。

でも、手間が掛かりすぎるものとか素材が入手困難なものは採用されない。

_ しょうぶまつり 2005-05-28

朝、ちょこっと用事を済ませたQちゃんを車で迎えに行って、近くの公園へ。

菖蒲がきれいという事なので、見に行ってみたかったのです。

Qちゃんに「しょうぶまつりがあるんだよ」というと「それって、強そうだよね」との返答。

どういう文字変換が頭の中でなされているのでしょうか、この人は。

Qちゃんの思っているのは「勝負祭り」。

大体、なんだよ、それ。

「赤い下着の人とかいるかな?」

いません。

ちなみに正解は「菖蒲祭り」です。

菖蒲はまだまだ五分咲きというところ。

久しぶりに公園をゆっくり歩いたのは良かった。

お子達が、どうみたってドブとしか思えない水のところに手を突っ込んだりしているのを見たりして、背筋がぞっとした。

あれで、家に帰ったりするんだよね?

ひー、オレなら家に入れない。親御さんたちってすごいのねー。

虫とか掴んでますよ。ひぇー。

Qちゃんなんか姫だから、そんなものを目の前で見せたら卒倒しますよ。いや、本当に。

箱入りだからさ。

花を堪能して、Qちゃんのボスがおすすめの寿司屋へ。

暑いしさ、寿司だしさ、酒なしでは語れないよねって感じにも関わらず、ドライバーのオレは飲めません。

くそー、なんだよ、それ。Qちゃんが隣でおいしそうに飲むのを恨めしく見つめてました。

えーい、呪われてしまえー。

結婚して、ますます酒飲みになったツマに対する嫌がらせとしか思えませんでした。

寿司はうまうま。最高。

その後は、ちょっとドライブ。

Qちゃんは助手席で寝てました。いいよね、昼間から寿司食べて、酒飲んで、昼寝ですって。

恨めしい。

雑貨屋とかに寄ったり、花屋に行って、苗を買ったりしました。

最近、ベランダで食べれるもの(ここがポイント)を育てるのにはまっていて、トマトの苗を三種類買いました。

上手に育てたいのではなくて、食卓を彩るものを少しでも自分で作れたらいいだろうなと思って。

優雅な専業主婦だなぁ、オレ。

でも、全然美しくないのだ、家庭菜園の実態。

だって、肥料に小さな虫が寄ってきたりするし(でも変な化学肥料や虫除けを使うなら家で作る意味がないような気がする)、土は臭うし、ベランダでは制約が多くて、優雅ではない。決して。

早速家に帰って植えました。育つといいな。

菖蒲の写真をUPしました。

_ お散歩 2005-05-29

昨日に引き続いていいお天気なので、一駅分歩いて散歩。

その駅から電車に乗って、一駅で降りる。

来週から、また違う講座を受けるので、その場所を下見に。

普段使わない駅なので、おりた事もなかったのだけれど、正直ショックでした。

この市内に、こんなところがあるなんて知らなかったのです。

ここ、好き。

こういうのは、何と言うんだろう。

駅を降りた瞬間分かる、その土地が自分に合うかどうか、その感覚。

駅がきれいとか、そんな要因も関係はする。

でも根本的なところはそんなものではないと自分では思っている。

東京にいた時もそう。

中野とかも勧められたけど、駅のそばや街並みが苦手だった。阿佐ヶ谷とかも。

違うって何かが言う感じ。

それで、荻窪に行った途端に「ここだ」と思った。私が住むのはここだと。

そういうのは、何だろう、わかるのだ、とにかく。

国立にいた時もそう。駅から降りた瞬間、国立に入った瞬間、「あ、好きだな、この感じ」と思った。

福岡で一人暮らしを始めた時もそうだった。そういうのは、人間の相性の「合う、合わない」と同じかもしれない。

そうして、ずっと好きにならなければ、と思い続けていた今住んでいる場所が「違う」というのを妙にリアルに感じた。

違うと思ったら好きになれないから、違うと思わないようにしなければと思っていた今の場所。

でも、違うと妙に確信してしまったのでした。

きっと、これからの毎日はとても辛くなるだろう。仕方ない。

しかも、毎週一ヶ月ここに通ってくるというのは、苦しい事だ。

Qちゃんも、この「好き」がわかってくれて、二人でちょっと苦々しい気持ちになったりした。

ただ、救いは、ずっと「この市内が私に合わないのでは?」という感覚が違っていた事。

場所が合わなかっただけで、この地区全体が駄目な訳ではなかったのだという安心感。

Qちゃんの仕事が順調ならばここから離れる事は出来ないので、この場所全体と自分が合わない訳ではないという事がわかって本当に安心した。

それまでは心のどこかで「仕事を変わる事はもうないだろうか」と何度か思い、苦痛を感じていたのだ。

ここから離れたいと強く感じていたのは、この場所だけとの相性の問題だとわかって安心した。

引越したい。今すぐは無理だけど。

前向きな目標がちょっと持てたし、ここを離れればもっと毎日の環境と上手く付き合うことが出来るのだと思えてよかった。

頑張ろうと思う。

あー、しかし、こういう感覚は恋に似ているよ。

その日、人とちょっと話すことがあって、新婚だと言うと「今が一番いい時ですね」と言われた。

その人はどう見たって、オレと同じ歳か、それより下で指輪をしていたので、思わず「毎日が辛いんですか」と聞きそうになった。

可哀想に。

オレの尊敬する夫婦は「新婚っていいよねー、うちも今でもラブラブだけど、新婚のラブラブってちょっと違うんだよねー」と言う。やっぱり既婚者にはこうあって欲しいと思う。

三年後も同じ意見の自分でありたい。そして、先輩既婚者の方々にはそうあって欲しいよ、心から。

夜は、家でレバニラ炒め。

家では初めて作った。レバーって調理する前って、グロい。

でも、思ったよりおいしかった。あーゆーのは店でなくてはおいしくないと思っていたがそうでもなかったようだ。

レパートリーが増えてよかった。やはり、まだまだですなー。

頑張りますよ、主婦業。