_ 音と思い出。 2004-11-01
不意に心をぐっと鷲掴みにされたような気分になる。
苦しいのと同時に言いようもない不安とそして、甘やかな誘惑と。
ある曲にそういう反応をするのは、ずっと自覚していた。
でも、今日、そういう反応をする曲がもう一曲あるのに気付いた。
その曲が何気なく、ラジオから流れてきて、倒れこむようにショックを受けてしまったので。
別になんてこと無い二曲だ。
どこにでもある、ただのヒットソング。
自分で「聴くぞ」と意識して聴く分には何の問題もない。
でも、意識しない時にラジオから流れて来た時に私の心は激しく動揺する。
その曲に昔の恋人との思い出があるなんてロマンティックなものでもない。
だって、一曲にいたっては、当時は小学生だったのだから。
ただ、その曲と過ごしたその時間が私にとって、それほどまでに心を揺るがす時間だった。
私はその当時、自分の根底となるものが揺らぎ、同時に反抗期でもあり、思春期でもあった。
自分について考えるだけの大量の時間があり、私の関心は自分自身にだけ向いていた。
なんと、思い上がった子どもだったのだろうと今なら思う。
でも、当時の私なりに感じ、思い、俯き、そして、前を向いた時間だった。
もう、一生涯、あんな時間の過ごし方をする事はないだろう。
だからこそ、当時のヒット曲に私の心はここまで揺さぶられるのだと思う。
もう二度とあんな思いはしないだろうからこそ、私はその曲に感謝すべきかもしれない。
その曲を聴く事で、私はいつでも当時に戻る事が出来る。
あの、子どもらしい身勝手さ、疎外感、孤独感。
それらを私は決して忘れていない。
その事がいつか私の支えになればいいと今は思っている。
今日の献立
・豚キムチいため
・かぼちゃのコロッケ
・もやしのナルム
・ぶりの照り焼き
・こんにゃくピリカラ煮
・巻き卵
・キュウリの浅漬け
・プチトマト
by ミズキ