_ 引越! 2005-01-26
朝8時から業者の人が来る。
二人でやってかかっても一時間半ですよ、と言われていたが、到底終らないと思ったらしく、気がつけば途中から人がひとり増えて三人になっていた。
ポケットから出てきたのかと思うぐらい、突然に。
それでも、運んでも運んでも終らず(私たちのせいではない。見積りに来たやつが悪いのだ)、何と完了する頃には、二時間強かかっていた。
お兄ちゃんたち、舌打ちしそうな勢いであった。
でも重ねて言うが、憎むなら見積りに来た自社社員を憎んでくれ。
そう思いながら、お兄ちゃんと荷物を見送る。
3トントラックに何の隙間もないほどの荷物が詰め込まれていた。圧巻。
詰め込み方がプロだなぁと妙に感心する。
寒々しくなった部屋を片付け、終わり。
これで東京とはお別れだ。
楽しい事ばかりではなかったけれど、いい時間を過ごさせてもらった。
東京、というものを経験できた事は、私の今後の人生の中で何らかの糧になるだろうと思う。
また、Qちゃんとの生活はここでスタートした。
そういう意味では忘れられない土地になるだろう。
特に無職になってからの、生活拠点が国立であった事は本当に恵まれていたと思う。
駅からは遠かったけど、住宅地だし、自然もあった。
天気のいい日は、富士山を見る事だって出来た。初めて富士山を見た日の興奮は忘れないだろうと思う。
行って見たい所はまだたくさんあったけど、別にそれはこれから行けない所ではない。
そう思うと、本当に行きたかったところなんて、そうなかったのだと思う。
東京で一番良かった事は、美術展に気軽に行けたこと。
Qちゃんとも何度か一緒に上野へ足を運んだ。どれも印象的であった。
そういう事はどれだけ時が経っても忘れない部類の事だ。心配しなくてもいい。
心残りは、仕事を奪われた事。
これはただの未練だが、もっと出来た事があったのではないかと思ったりする。
なんにせよ、これでお別れ。
空港にはS嬢が私たちが大ファンのお菓子を持って見送りに来てくれた。
本当に最後まで、お世話になった人だ。
でもお別れは悲しくなかった。
私はこの人のことがとっても好きなので、きっとまた会えると思えるからだ。
嫌いな人にはどんな事情があろうとも中々会えないものだが、本当に好きで会いたいと思う人には、絶対に会えるのだと信じている。
その証拠に、同じくお世話になった仙台のSさんには仕事を辞めてしかも仙台-東京と離れているのに、すでに一度会えたし、また沖縄でも会える。
同じように、きっとS嬢とも会えると思っているので、寂しくはない。
ただ、おこがましいけど、二人で無職の辛さを励ましあってきたので、そういう意味でちょっと心配だ。
でもそれは私も同じで、次に会う時に胸を張って会えるように頑張るしかないと思っている。
次に来る時は、私は旅人だ。
その時を楽しみに、福岡へ飛ぶ。
by ミズキ