_ 父の日 2005-06-19
花を持って、実家へ。
父に花を贈る。
弟も帰ってきて、弟は美術展のチケットを贈っていた。
憎いセンス。むぅ。
みんなで、お寿司を食べて、これから父が生垣を刈るという話になり、Qちゃんが手伝いを申し出る。
おおお!
都会っ子のQちゃんは、私が十年以上馴染んで過ごした庭に、最初はちょっと似合わなかった。
きっと、庭の方も緊張していたのだろう。
でも時間が経てば、庭もQちゃんを受け入れ、Qちゃんも庭に慣れ、Qちゃんは生垣を上手に刈れるようになった。
不思議な光景だった。見ていて、胸が痛くなった。
私は何度もこの庭で、様々な花を植え、柴を刈り、日曜日を過ごした。
その事を幸せだと感じる度に、もう一度この幸せを感じられる事が出来るだろうかと胸を痛めた。
いとおしい事は、手に入りにくく、失いやすいものだと感じていたからだ。
その気持ちを思い出した。同じ場所にいる、高校生の自分が感じられたのだろう。
高校生の自分、恐れないで生きていい。
高校生のその時間より、未来の時間の今はとても楽しい。
そう、思った。
私の抱えられる荷物には限界がある。
でも、可能な事はやろう。
弱ってきた父を見て、そう思った。
この人とは本当に色々な事があったし、私を一番傷つけた人は多分この人で、そして一番物事を教えてくれたのもこの人だった。
悪いことをなかった事に出来るほど、大人じゃないけど、学んだ事を忘れるほど、馬鹿でもない。
父の代わりにはなれない。支えにもなれないだろう。
でも、この人が残そうとしたものを、何一つ忘れないでいよう。
この人が守ったもの、大事にしたものを覚えていよう。
そう誓う。
by ミズキ