_ 東京にいる私。 2004-05-27
「東京に来て、どう?」
なんて、たまに思い出したように訊かれる。
東京に来て、色々なことがあった。
たくさんの人に出会った。
東京にしかないものもあった。
でも、同時に。
福岡で、たくさんの人としばしの別れをし、福岡にしかないものを置いてきた事実の上に成り立っている。
福岡には、つまらない話を聞いてくれる多くの友達がいた。
突然に訪ねてきたり、突然に訪ねていったり出来る人がいた。
そういうものを私は全て置いてきた。
それでも、私は口にして言える。
「東京に来てよかった」と。
具体的な理由など、答えられはしない。
得るものばかりでなく、失ったものだってあったのだ。
それでも、私は逆らいがたい何かの流れに乗って、ここに来ているのだと思っているし、その選択に後悔はない。
「ここで何かをなさねば」と使命感に燃えているわけでもない。
ただ、しっかりと目を開き、耳を澄まし、様々な情報を拾い上げ、口を開き、必要な発言をしようと思う。
どこにいて、何をしていても、私は私以外の何者かになる事は出来ない。
今私がやっているのは、「私」が「私以外」に変わる事ではなく、「私」が「私らしく」変わっていく為の作業なのだ。
もし、時間が遡っても、私は必ず東京に来るという選択をするだろう。
何を失って、何を得たか、そういう基準ではなく。
ただ、確信として実感している。
by ミズキ