『帰る』ということ 2002-03-21 - へびあし。


_ 『帰る』ということ 2002-03-21

水曜日の夜中から、実家に帰っていた。

家を出てから、二年以上経つ。

当然のように、私の部屋はどこにもなく、家に帰ると私は所在なげに過ごすことになる。

それでも、ここは私の帰る場所だ。

私は、家を三つ持つ。

両親のいる家と祖父母の住む家と私の部屋。

両親の家と祖父母の家には、私は「帰る」と思う。

なぜなら、あそこには私を受け入れてくれる人たちがいる。

私を待っててくれる人たちがいる。

今の私の部屋にも私は「帰る」。

私を待っててくれる人はいないけれど、私はここで、様々な人たちを待つからだ。

大切な人たちの帰りを、私はここで待つ。

その為の家だと思う。

それでも、実家からの帰り道、ハンドルを握りながら考えていた。

私は「どこ」に「帰る」のだろう。

「どこ」へ行くのだろう。

黄砂でばやけた街並みを見ながら、すれ違う人々の帰る場所を私は少しだけ、羨んだ。