憧れの地へ、いざ 2004-05-03 - へびあし。


_ 憧れの地へ、いざ 2004-05-03

朝、ばっちり起きて京都へと旅立つ。

憧れの地。

ナゼだろう。

何度も行こうという話が出ながらも、行き着けなかった場所。

行く事なんて、全然難しくもなかったのに。

生きているとそういう事がよくある。

すごく望んでいた事がある日突然叶ったりする。

あまりの突然さに、最初は自分の望みが叶ったことに気付かない。

「なんだ、こんなに簡単な事だったんだ」と気づいた時に、遮っていた理由の多くは自分の中にあったことを自覚するのだ。

行動であれ、可能性であれ、制限をしているのは、いつも自分自身だ。

そんな簡単な重要なことに気付かされる。

行きのわずかな時間の電車の中で妙に福岡に帰りたい気持ちになった。

こんな事、初めて。

私の周りに当たり前にあった環境の恵まれていた事、とても贅沢なものを与えられていたこと、たくさんの人に助けられていたこと。

そういった事を突然に思い出す。

それらを私は決してもう手に入れられないわけでもなく、でも今取り戻したいと痛烈に思っているわけでもなく、手の届く範囲にある幸福に手を伸ばさない甘い痛みと贅沢さを味わう。

そういう事を思うにつけ、大切なことを私は両親からきちんと与えられていたという事を思い知る。

自分を取り巻く人々に感謝すること、自分を取り巻く物を大事に愛情を込めて扱うこと、些細な平凡な、でもとても大切な日常の事柄。

たった十数分の電車の中で、思いを馳せる。

たぶん初めての土地だということや旅行に出ているという非日常性が、私の感性をオープンにしているからだろう。

普段なら気付かない物音、声、色、匂い。

駅に降り立った時に、飛び込んでくる。

処理能力を超えるぐらいの情報量に戸惑いながらも、楽しみながら街中を歩く。

行く先なんて考えてなくて、当日駅で観光ガイド本を買っちゃうぐらいの未計画ぶり。

私の中で「京都に行く」という事が目的で、それで目的達成という感があるのは否めない。

もちろん、街中を歩き、「どことも違うその土地の雰囲気」を堪能する。

くつを一足駄目にするぐらい、歩く。

お昼を食べに入ったお店が(味はともかく接客が)かなり駄目駄目な感じだったので、コンサルするとしたらどうするかとか、お金はいくらもらうかとか考えて遊んだりもした。

帰りは、千枚漬を買って、新幹線で東京へ。

私の帰る場所は、どこなんだろう、ふと思う。