野望 2002-10-15 - へびあし。


_ 野望 2002-10-15

実は今月に入り、語学の勉強をしている。

私を良く知る人なら、この時点で驚いてもらえると思う。

なにせ私は、大学受験の折にわざわざ入試に英語のない大学を選び、やっとこさもぐり込んだ大学では、第一外国語である英語も第二外国語である中国語も人様より多く勉強したという経歴を持つ。

「語学」という奴が、肌に合わない。

その私が語学の勉強というのだから、タヌキの腹で茶が沸くよりも驚くべき事体であると言える。

そこに至るまでは、簡単に話せない精神的葛藤やら、様々筆舌し難い経緯があるわけだが、簡単に言えば「口は災いの元」と言ったところであろうか。

とある縁あって、外国の方と知り合う機会があった。

その方が(私の英語能力と比較して)日本語の話せる方だったので、私はずっと(むしろ頑なに)日本語で話し掛けていた。

まぁ、それで何とかなっていた。

ただ、相手もそれで気を良くしたのか「日本語は簡単だ」と私の前で堂々と宣言しやがったのだ。

気が付けば、私はかの人を指差し「次に会う時は、お前の国に行って、お前の国の言葉で話してやる!首を洗って待っておけ」と宣言をしてしまっていた。

指差しはいけなかったと深く反省しているが(どうも手話では指差しは普通に多用されるので、たまにそれが出てしまっていけないと思う。悪気はないのだが)仮にも一応大学なる場所に好き好んで4年も通い(しかも片道2時間30分かけて)日本語について勉強してきた私に、しかも未だにその日本語に振り回されている私に「何てこと言ってんだよ、お前!!」って感じであったわけだ。

確かに冷静に見れば、かの人は巧みに外国語であるところの「日本語」を操っていたし、そこに至るまでの努力と言うのはあったと思う。

でも、それは「冷静に見れば」ってことで、気が付けば啖呵を切っていた私には何の意味もなさない。

かくして、私は毎朝N○Kラジオを聞き、ラジオにあわせて一人部屋で発音を復唱すると言う、人様には見せられない日々を送ることになったわけである。

毎日やりだして、その大変さは身にしみて痛感しているわけであるが、でも「今にみてろよ」の気分で私は今日も部屋で一人で発音練習に励む。

次に会うまでに可能な限り身に付けて、かの人の母国語で「ざまーみろ」って言えれば最高だなぁと夢を見る今日この頃である。