逢引 2002-10-03 - へびあし。


_ 逢引 2002-10-03

新しい本を開く。

表紙にそっと触れる。

いとおしい気持ちで私は満たされる。

こんな時の幸福感をなんと形容すればいいのだろう。

本もまだ緊張しているように感じる。

私もこれから展開される物語に緊張している。

私の気持ちは、幼い自分に戻っていて、自分の心音に耳を澄ます。

読書は、私にとって父親で母親で先生で友達で恋人だった。

もうずっと昔から。

恋人と寄り添うように、私は本の世界の住人になる。

少しの間だけ、「ここ」を離れる。