_ 久しぶりに。 2005-02-16
本は何でも好きだ。
基本的には。
それでも、いつも残念に思うのは、ものによっては年齢を重ねるにつれ、面白く感じなくなるものもあるという事だ。
昔、夢中になって読んだ漫画本とか。
それって、当たり前なのかもしれないけれど、とても寂しい気もする。
そうやって、「あの時」を忘れてしまうのだろうか?
同じ年代を過ごしている子達を理解出来なくなってしまうのだろうか?
それは本当に悲しい事だ。
もちろん、ブラックジャックとかサザエさんとか、ガンダムとか、未だに大人にも子どもにも人気のある作品だってある。
優れた作品は、いつの世代が読んでも(見ても)面白いと言うのも事実だろう。
だからこそ余計に、自分を育んできた本たちが色あせたとは思いたくない。
ただ、これは逆の事もある。
当時はとても面白いとは思えなかったものが、今はとても面白いと思うものだってある。
年齢を選ぶ本もあるのかもしれない。
本はいつだって、私に多くの事を教えてくれる。
あの、幼い頃の、枯れ果てた気持ちに何の感動も何のリアクションもなく、ただ息をするように、時間を浪費するように本を読んだ時間を私はいつも思い出す。
その時に全てを感じていなくても、本は、私の血となり肉となった。
嬉しくても悲しくても絶望に満ちていても、本はいつもそばにあった。
そうして、今も本はそばにある。
久しぶりに、本当に久しぶりに、漫画の本を買った。
野田恵(のだめ)が主人公(のはず)のクラシック漫画。
プロになりたいと思っているが、周囲の人はその才能に気付いていなくて、ひょんなことからその才能が発揮されていくという漫画は様々なジャンルであると思う。
これの面白いところは、主人公以外はプロになりたくて、主人公・のだめは才能はあってもプロに興味がなく、自ら進んでその才能を埋没させているというところ。
プロになるってどういう事なんだろう?という事を考えさせられる漫画です。でも笑える部分の方が多いけど。
私にも「これだけしていて生活できればいいな」と思うぐらい好きな事はあるけれど、それだけでは生きていくのは困難だと感じる事との方がずっと多い。でも逆に好きで、だからこそ、好きにやりたいという事もあるんだなぁとこれを読んでいて感じます。
ただ、作中に「好きだからもっとうまくないたいと思わないの?」というごく当たり前の問いがあって、「あぁ、そうか。プロってそれで<食べる>という事だけじゃないんだ」って私は妙に納得しました。
その世界にどっぷり浸かれば浸かるほど、井の中の蛙って気付かされる事だって多いんだろうな、という事です。
でもだからこそ、家の中にずっと一人でいるという今の私のこの生活はどうだろう?と振り返ってみて、ちょっとどんよりしてしまいました。
献立
・ほうれん草
・ハンバーグ
・にくじゃが
・いり卵
・プチトマト
・わかめの味噌汁
by ミズキ