_ 『手話が愛の扉を開いた』 2002-05-12
福岡手話の会の創立30周年記念講演がありました。
那須英彰氏を講師にお招きして公演をしていただきました。
私自身は、テレビのない生活をしていますので、那須さんの手話を拝見するのは初めてだったのですが、友人が大ファンで「とにかく手話がキレイ」と聞いていて、実際に拝見し、確かに非常にキレイな手話をされる方だと感じました。
公演の内容は、生活の中でお感じになられていることが多かったんですが、印象的だったエピソードがいくつかありました。
例えば、道を聞かれた時。
筆談であれば、ろうあ者の方でももちろん道を説明する事は可能です。
でも、尋ねた相手がろうあ者だとわかると「もう結構です」と言われてしまったという話。
「ろうあ者だって、人の役に立ちたいし、役に立てると嬉しい」
那須さんのこの言葉が印象的でした。
聞いていて、障害があるというだけで、出来ることを奪われている現実があるような気がしました。
また、外国人の方の対応と日本人の対応。
那須さんのお子さんも聴覚に障害があるんですが、お子さんに障害があるとわかった時の対応が違うとの事。
国内では「かわいそうに」と言われる。
国外では「そうなの、(気が付かなくて話し掛けて)ごめんなさいね」と言われる。
それだけで、あとは「普通に」接してくれる。
「構えないで欲しい」
そう、おっしゃられました。
でも、頭で理解することと実際に体験するのは違います。
そして、気軽に体験出来る機会は非常に少ないと言わねばなりません。
那須さんはこうもおっしゃいました。
「障害者も、もっと外に出て、いろいろな人と接しましょう」
ただ、彼らが安心して外に出て行ける環境は整っているでしょうか?
私たちが普段利用している公共交通機関は、肢体障害者にとって利用しやすいものでしょうか?
私たちが歩いている道は、視覚障害者にとって歩きやすい道でしょうか?
健常者だけで判断できないところも多くあるでしょう。
障害者、高齢者の方々も「不便」を訴えていく活動をして欲しいと思います。
多くの人が本当の意味での「バリアフリー」の社会で安心して生活できるように、私は私の出来ることを続けていきたいと思います。
さて今回は、最近、手話の会の例会もお休みしているので、久々の手話イベントとなりました。
手話で話すことの楽しさを再確認した時間にもなりました。
早く、もっと上手く話せるようになりたいなぁ。
by ミズキ