ちょっと、嬉しかったこと 2001-11-21 - へびあし。


_ ちょっと、嬉しかったこと 2001-11-21

何てことはない、たいした話ではないんだけど。

今日は手話の日で、教科書を忘れていたので、お仕事を定時で上がって、部屋に取りに帰ってきた。

外に出ると、向かいのお家の屋根の上に、人がいる。

そのお宅には、わりと立派な柿の木があるんだけど、どうやらその柿を取りたいらしい。

30代半ばの女性。

でも、屋根の端っこで、座り込んでいる。

一人暮らしをしていると、近所の人と話す機会なんてない。

隣の部屋の人の顔すら、わからないのだ。

突然(ではないんだけど)お会いしたお向かいさんに、ドキドキ。

しかも、ちょっと変わったシチュエーション。

思わず、じっと見てしまった。

向こうもこちらを見る。

お互い、なんとなく照れて、エヘヘ、と笑ってしまった。

私、思わず、「大丈夫ですか?」

彼女は「結構高いです」と苦笑い。

「恐くないですか?」などと訊いてしまった。様子を見れば、分かるだろうに。

「腰が引けてます・・・・」

かわいかった。

明らかに、年上の方なんだけど。

「気をつけてくださいね」そういうと、「はい」と笑顔。

ほんの少しの、会話。

たいしたことではないんだけど、気持ちがホクホクした。

私と彼女の間には、何のつながりもない。

(あるとすれば、同じ町内に住んでいるということぐらいだ)

他のタイミングなら、口をきいたりはしなかったかもしれない。

そう思うと、私たちは、お互いの名前も、家族も何も知らないけど、今日出会った。

これもひとつの出会いなんだな、と思う。

あの瞬間、私は心から彼女の身を案じ、言葉をかけ、彼女は笑顔で答えてくれた。

小さな、一瞬の出会い。

毎日がともすれば、単調で殺伐としたものになる。

今日と明日が同じになってしまう。

例え大切な何かがあったとしても、日常生活の隙間に落としてしまっているかもしれない。

そんな風になってしまうことをいつも恐いと思う。

だから、今日のようなほんの些細なことを嬉しいな、と感じれる自分にホッとする。

まだまだ、大丈夫だと安心する。

本当に、本当に些細なことだけど、ちょっと嬉しかったことでした♪

夕陽もすこぶるキレイだったしね。