_ 小さな幸せ 2002-01-31
日常買わないものって、買い物に行っても、ついうっかり忘れてしまうことが多い。
そのついうっかりを一週間続けて、毎晩暗いお風呂に入り続けた。
お風呂場の電球が切れていたのである。
うちは洗面台が独立しているタイプの造りなので、顔を洗う時に困ったりはしなかったので、必要性をあまり感じていなかったのかもしれない。
第一、元々視力が激しく悪い私にとって、眼鏡を外してはいるお風呂場は、「まったく見えていない状態」なのである。
それに今更、少々暗いからと言って、何の不自由があるというのだ。
買い忘れ二日目ぐらいまで、己の記憶力の悪さを呪っていたが、三日目になると、開き直り、四日目に至っては「むしろない方が地球に優しいかもしれない」と思うようになった。
いいかげんなものである。
五日目になって、本当に心底どうでもよくなってきた頃、ハタ、と実家の母を思い出した。
彼女には、電気を消したお風呂に入る習慣がある。
実家に住んでいた頃、真っ暗な風呂場から、奇妙なリズムの水音が聴こえてきて、奇妙な気分になったものだ。
「何で、電気を消してはいるのよ?」
と言った私に、母はケロリとしていった。
「何で、電気をつけてはいるのよ?」
よく分からない人である。
その人と同じ事をしているのだと思うと、嫌な気分になった。
調子が悪くて、買い物のままならなかったが、本日買い物に出た折に忘れずに買ってきた。
母と私は違うのである。
<o( ̄^ ̄)o> エッヘン!!
明々と照らされたお風呂場を見て、妙に贅沢な気分になった。
そんな些細なことで幸せになれたりする私は、まったく頭の中が春だなぁと思った冬の一日でした。
by ミズキ