_ 階段 2002-01-16
無駄な話をしたい夜がある。
何の計算もいらない人と、何の利害関係もない人と。
ただただ、何でもない話がしたい夜がある。
人の声が聴きたくなる。私の本当の声を確認したくなる。
そうしたくてたまらない自分に気付くと、形容しがたい感情が私をとらえる。
声を聴かせてください。声を聴いてください。
話の内容はなんだっていいのです。
何でもない話をしたいのです。
そうすれば、私は声を聴くために、もう一歩階段を上がれる気がする。
そうすれば、私は声を届けるために、もう一歩階段を上がれる気がする。
階下に広がる闇が深すぎる、そんな夜。
by ミズキ