_ 血だらけの名刺 2001-12-20
冬になると、手が荒れる。
特に、仕事の関係でよく紙を扱うのでなおさらだ。
右手の親指と人差し指と中指がひどい。
今日、初めてお伺いしたところで、オーナー様が不在だった。
せめて、名刺だけでも渡してもらおうと、バイト君にお願いした。
「では申し訳ありませんが、名刺だけお渡し願いますか?」
「はい、わかりました。」
私、名刺を出す。
バイト君、名刺を受け取ろうと手を出す。
「・・・・・・・・・・」
バイト君が手に取った名刺。
血だらけ!!
スプラッタ状態に血痕が!
沈黙する二人。
差し出した名刺を引き取れない私と受け取りかけて、名刺に手をかけて引けない状態のバイト君。
しばし、見詰め合った後、何もなかったかのように、
「それでは、お願いしますね」
「確かに」
渡してしまいました。
店を出て、自分の手を確認すると、親指のところがぱっくりと口を開けて、出血多量状態でした。
手帳やらなんやらが、全て血だらけでした!
まさに血の滲むような努力で仕事をしているって事で。
しかし、オーナーまで行くのかなぁ、血だらけの名刺。
by ミズキ