大人と子ども 2002-03-29 - へびあし。


_ 大人と子ども 2002-03-29

今週で終わってしまったのだけれど、朝日新聞の月曜日に掲載されていた漫画家・石坂啓のエッセイが気に入っていた。

ご自身の子どもとの係わりを書いてあるのだ。

最終回は、「子の『見ごろ』は短くて」というタイトルが入っていた。

大人はみな、自分を一人前だと思っていて、子どもを半人前だと思っている。

でも、大人がハイハイをしている赤ちゃんと同じ動きをすれば、きっと負けてしまう。

歳相応の完成度があるのだ。

大人自身だって、成長の過程にいるのだ。

だから、年齢に見合わない完成度を求めて、今の子どもの魅力を見落としてはもったいない。

そういう、話であった。

さて、我が身をここで振り返る。

私は、一体どこに属するのだろう。

私は親は持っているが、子は持たない。

でもおそらく、私が「自分は子どもである」と主張しても、社会は認めてくれないだろう。

では「大人である」と言えるかというと、また違う気がするのである。

子を持てば「大人」かというと、それもまた違うと思う。

まぁ、とどのつまり、どちらでもないのであろう。

ただ、「大人になりきれない子ども」よりも「子どもに戻れない大人」の方がいいと思うようになった分ぐらいは、大人に近づいているのかもしれない。

トトロで言うと、私はもう「まっくろくろすけ」を見ることが出来ない方に属してしまっているという事実は否定できないのだ。

それでも、「子ども」の部分を残しながら「大人」になっていきたいものだと思う。

最終回のエッセイの最後にこんなことが書いてあった。

拾ってきた石をポケットから出して、「はい、ママへのプレゼント」。

一体どういう発想でママが喜ぶと思ったかは分からないが、喜ぶしかない。

「わー、ありがとう」

「大人」だなぁ、と思う。

私は「喜んだフリ」も出来ないだろう。

でももちろん、叱る事も出来ない。

「さて、私ならどうするだろう」などと、今も考えている。