本の記録 2008-10-22 - へびあし。


_ 本の記録 2008-10-22

久しぶりに、旅の移動で本を読みました。
思うところが色々とあったので、ちょっと記録しておきます。

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さまよう刃/東野圭吾

正直、むかむかする話でした。娘さんを持つ親なら、皆同じ感想を持たれるのではないかと思います。
かいつまんでストーリーを説明すると、年頃の娘が襲われた(性的に)後に殺された父親が、犯人に復讐するという物語なのですが、その襲われるシーンの気持ち悪さ、そして、襲うに至る犯人(未成年)の発言・心理が非常に不愉快です。
でも、何より嫌な感じを受けたのは、そういう犯人が確かに過去にもいただろうし、これからもいるだろうと思わざる得ない現実を思った事でした。
まったくの「有り得ない犯人」ならもっと安心して読めたのです。
でも、そうではなかったこと。自分も娘を持っている事がやるせない気持ちになりました。
本の趣旨としては、少年法のあり方と復讐は是か非かといったテーマだと思いますが、それ以前のものではないかと思いました。

自分の大事なものが傷つけられた時、あなたならどうしますか。

殺されたら同じように殺す、それだけで満足いくだろうか、と物騒なことを承知で私は思いました。
絶望して、自分も死ぬかも知れないと思いました。
でも、復讐したいという気持ちもあるのです。確かに。(あくまで想像の中で)
息を殺して、じっとその犯人の人生を追っかけて、そいつが大事な人を手に入れた時に同じ目に合わせたいと思うかもしれない。
ただ、残念なことにそういう人物は、自分がいつも大事な可能性も高い。
それなら、どうするだろう。

そんなことを考えていました。
誠に物騒な話ですが。
そして、一人でムカムカと怒っていました。
不健康な!

ただ、娘には自衛の意識を高く持ってもらわなければならないだろうと強く感じています。
私も色々と言われて育てられましたが、私はやはりうかつな方だったと言わねばなりません。
幼い頃には怖いこともあったり、防犯ベルを持ち歩く小学生だったにも関わらず、その後の自分を振り返ると、やはり若さゆえにうかつでした。美しくないから安全だと思っていたのです。
でも、もう時代はそうではなくなった。

自分で自分の身を守る。非常に難しいことです。
生きていくって、どうしてこんなに難しいことになってしまったのでしょうか。
そして、そんな時代に子どもを持ってよかったのだろうかと、考えてしまいました。
何が幸せか。そういうことが、頭の中をぐるぐると回っています。